· 

近代史資料室見学

 1 月26 日、図友の総会終了後近代史資料室の書庫を見学させていただくことになりました。昨年まで、多目的室として使用されていた部屋が資料室として整備され、たくさんの棚が整然と並んでいます。その日は荒天でかなり寒い日だったとはいえ、隣の会議室から移動するだけなのにコートを着るよう勧められ驚きました。室内の温湿度を一定に保つために冷暖房を入れないのだそうです。人の出入りのたびに温度や湿度が変化すると室内の紙類が劣化するとのこと。国会図書館などでは一日の入室者数に限りを設けているのだとか。

 入り口近くの、大きな平たい引き出しがたくさんあるストッカーには、昔の地図や江戸時代の錦絵が収められていました。各棚には、きちんと梱包された紙包みや「○○家」と書かれた白い紙箱が並べられています。箱の中は市民から寄贈されたその家の古文書や写真等が入っており、これから詳しい調査が行われるようです。紙包みは二種類あって、白い無地の紙は中性紙といい、中の書類が酸化して破れやすくなるのを防ぎます。残りは酸性紙である新聞紙に包まれており中身の劣化が心配なのですが、中性紙は高価な為予算や人手の関係もあってすぐに全部を切り替えることは難しいようです。その他昭和天皇の肖像の大きな生写真の額や、戦中戦後の時期に鎌倉市長だった鈴木家から寄贈された、公式の式典で着る大礼服などもありました。また、数十年に渡って撮り続けた市内の人々のスナップ写真は、当時の風俗がわかるので風景写真よりも貴重だとのお話もありました。

 今年度中には全てのリスト化が終了してホームページに公開できる予定とのことで、楽しみです。

(会報200号より)